
大阪市博物館機構は、9月9日(水)~11月23日(月)の期間、大阪歴史博物館にて特集展示「新発見!なにわの考古学2026」を開催する。
大阪市内で行われた最新の発掘調査の成果を、出土遺物や写真パネルで紹介する内容だ。
発掘成果から大阪の歴史を巡る特別展示の概要
「新発見!なにわの考古学2026」は、令和6・7年度を中心に、大阪市教育委員会と大阪府文化財センターが行った大阪市内の遺跡発掘調査の中から、主な調査成果を紹介する特別展示だ。
展示では、弥生時代から江戸時代までの幅広い時代の遺物、約150件が公開される。

写真提供 大阪府文化財センター
粘土採掘の穴から出土した土器(平野区長原遺跡)は、弥生~古墳時代の3世紀前後の遺物。長原遺跡で見つかった250基以上の粘土採掘穴から出土した甕(かめ)である。
表面に煤(すす)が付着しており、煮炊きに使われたと考えられている。

写真提供 大阪府文化財センター
古墳時代のムラから見つかった土師器(はじき)は、中央区大坂城下町跡下層の古墳時代4~5世紀の遺物。
大坂城下町として発展する前、上町台地の西側には弥生時代から平安時代のムラが広がっていた。今回の調査では、古墳時代に掘られた穴から、小さな壺と3点以上の高坏(たかつき)がまとまって見つかったという。

写真提供 大阪府文化財センター
中央区難波宮跡で見つかった後期難波宮(こうきなにわのみや)の瓦 は、奈良時代(8世紀)の遺物。難波宮跡の調査では、前期難波宮の朝堂院南門に接続する回廊の一部が発見された。
また、難波宮が廃絶した後の整地層から、写真左上の三重円の模様をもつ重圏文軒丸瓦(じゅうけんもんのきまるがわら)など、後期難波宮で用いられたとみられる瓦が出土したという。

中央区大坂城跡で見つかった金箔瓦(きんぱくがわら)と刻印瓦(こくいんがわら)は、16世紀後葉の豊臣期の遺物。大坂城跡の調査で、豊臣期の溝などから金箔瓦や刻印瓦が出土した。
金箔瓦は破片ながらも菊文瓦や巴文軒丸瓦など各種あり、刻印瓦には「天上」と刻まれた丸瓦があった。

写真提供 大阪府文化財センター
中央区大坂城下町跡で見つかった鋳造関連遺物は、江戸時代前半(17世紀)の遺物。大坂城下町跡の調査で、小型で丸底の取っ手付き坩堝(るつぼ)がまとまって出土したそう。
溶けた金属の滓(かす)が付着していることから、地金を溶解して鋳造するために用いたと考えられ、近隣の類例から真鍮(しんちゅう)の鋳造に関わる可能性がある。
関連行事の概要
会期中には、講演会や展示解説などの関連行事も予定されている。
10月25日(日)13:30~16:15には、『「大阪の歴史を掘る2026 」-後期難波宮造営開始1300年記念講演会-』を開催。会場は大阪歴史博物館4階講堂で、定員は250名だ。参加費は1,000円となり、参加にはインターネットによる事前申込(先着順)が必要。8月25日(土)より申込受付を開始予定だ。
9月26日(土)、10月3日(土)、11月7日(土)の各日14:00からは、大阪歴史博物館の学芸員による30分程度の展示解説も行われる。会場は8階特集展示室で、参加費は無料。ただし常設展示観覧券が必要となる。事前申込は不要だ。
11月15日(日)14:00~16:00には、「体験!なにわの考古学~発掘調査のお仕事体験~」を開催する。小・中学生とその保護者が対象で、定員は10組20名。なにわ考古研究所の復元発掘調査現場の解説のほか、陶磁器の接合体験や瓦の拓本体験を行う。インターネットによる事前申込制(先着順)で、9月15日(火)より申込受付予定。参加費は無料だが、こちらも常設展示観覧券が必要だ。
なお、これらの行事は、大阪歴史博物館開館25周年記念行事の一環として実施する。各関連行事の詳細は、後日公式HPなどで告知がある。
近年の調査で得られた貴重な成果が一堂に会する「新発見!なにわの考古学2026」で、都市大阪が積み重ねてきた歴史に思いを馳せてみては。
■「新発見!なにわの考古学2026」概要
開催期間:9月9日(水)~11月23日(月)
会場:大阪歴史博物館 8階 特集展示室
住所:大阪府大阪市中央区大手前4-1-32
開館時間:9:30~17:00 ※入館は開館30分前まで
休館日:火曜日 ※9月22日(火)・23日(水)、11月3日(火)は開館。9月24日(木)・11月4日(水)は休館
観覧料:常設展示観覧料(大人600円、高校生・大学生400円)
※20名以上の団体割引料金は大人540円、高校生・大学生360円
※中学生以下・大阪市内在住の65歳以上(要証明書提示)、障がい者手帳等所持者(介護者1名を含む)は無料
大阪市博物館機構公式HP:https://www.osakamushis.jp
(Kanako Aida)